広瀬アリス「人間の本質が詰まっている作品に惹かれます」──世界照準のアニメ映画『バブル』

いまやテレビで見ない日はないほどの人気俳優である広瀬アリス。広瀬が声優として参加した新作映画 『バブル』が、5月13日(金)より絶賛公開中だ。世界に向けて放たれる本作の話を中心に、日本のアニメーションの魅力を訊いた。本誌6月号には掲載できなかったアザーカットもチェックして!
広瀬アリス「人間の本質が詰まっている作品に惹かれます」──世界照準のアニメ映画『バブル』

映画『バブル』5月13日(金)公開

好きな人に、会いたい。そんなピュアさは、映画『バブル』のテーマのひとつでもある。本作で、主人公たちを見守る研究者・マコトの声優を務めた広瀬アリスは、アニメやマンガ、声優の芝居の魅力を知っているからこそ、「デビューしてからの約15年間でいちばん緊張したかも。朝ドラの最終オーディションの何十倍も緊張した気がします(笑)」と語った。

広瀬アリス

「たとえ受からなくても、大好きなアニメ『進撃の巨人』の荒木哲郎監督にお会いできれば、それでいいと思って挑んだんです。でも演じているうちに、絶対にこの役をつかみたいという気持ちに変わっていきました」

そのまっすぐな思いは、ストーリーともリンクしている。

広瀬が声優を務めた、マコト(手前)

「荒木監督、虚淵玄さん、小畑健さんの代表作はほとんど見てきたのですが、どちらかというとダークな作品のイメージが強い方々ですよね。だからこそ、ピュアさや美しさが際立っている『バブル』は、とても新鮮でした。崩れてしまった東京が舞台なのに、すごくキレイだし、そこで支え合って暮らしている少年少女たちが、もがきながらもまっすぐに突き進んでいく姿は、青春だなって。

ヒビキとウタの描かれ方も、とても素敵なんです。“好き”とか“愛してる”といった言葉を超えて、ちゃんと通じ合っている無垢な愛情と、その遠すぎる距離感にキュンキュンしてしまいました」

広瀬が、これほどまで日本のアニメやマンガに惹かれる理由を訊いてみた。

「現実ではありえないような極限状態が成立するのは、アニメやマンガだからこそ。私は、良くも悪くも、人間らしさが描かれている作品が好きなんです。誰しも言葉にしないだけで、心の奥底ではいろいろな思いを抱えていると思います。そういうドロッとしたものを見せてくれるキャラクターがいる作品に、とても惹かれるんです。そこにこそ、人間の本質が詰まっていると思います。

あとは、まったく理解できない思考のキャラクターにも、どうしようもなく惹かれてしまうんです。虚淵さんが脚本に参加している、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』の槙島聖護とか! 現実では味わえない違和感が描かれた作品ほど、ゾクッとしてしまいます」

そんな広瀬が、今オススメするマンガは?

「『ただ離婚してないだけ』(本田優貴)は、読み進めるごとに壮絶な人間の本性が描かれていく作品。私は、窮地に立たされた人間がどうするのかに興味があるのですが、この作品はその描き方がすごいので、オススメです!」

『バブル』

舞台は世界に降り注いだ泡〈バブル〉で、重力が壊れた東京。ライフラインが断たれた東京は家族を失った一部の若者たちの遊び場となり、ビルからビルに駆け回るパルクールのチームバトルの戦場となっていた。ある日、危険なプレイスタイルで注目を集めていたエースのヒビキは、重力が歪む海へと落下してしまった。そこに突如現れた、不思議な力を持つ少女ウタがヒビキの命を救う。2人の出会いは、世界を変える真実へとつながる。Netflix版も全世界配信中!

配給:ワーナー・ブラザース映画
©2022「バブル」製作委員会
公式ホームページ:https://wwws.warnerbros.co.jp/bubble-moviejp/

広瀬アリス(ひろせ ありす)
PROFILE
1994年生まれ。主演ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』、『探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り』、映画『劇場版ラジエーションハウス』などに出演。飾らない性格でCMやバラエティ番組でも活躍中。

WORDS BY MIZUHO JITSUKAWA
PHOTOGRAPHS BY SAYUKI INOUE
STYLED BY MAYUMI ANDO @ super continental
HAIR STYLED BY AI MIYAMOTO @ yosine.


article image
『進撃の巨人』のエレン・イェーガー役で知られる実力派声優の梶裕貴。彼が参加した新作映画 『バブル』が、5月13日(金)に公開される。世界に向けて放たれる本作の話を中心に、日本のアニメーションの魅力を訊いた。