濱田 康行

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ご挨拶(2022年7月)


 7月末をもって、はまなす財団から引退します。7年8ヶ月、皆様の御支援を受けて無事に過ごすことができました。心より感謝申し上げます。

 理事長になりたての頃、職員のあとについて、支援先をあちこち訪問させていただいたことが、とても良い思い出になりました。天売島で、50万羽ともいわれる"ウトウ"の帰巣を見ることができました。神聖な生命の源を感じさせる事前のドラマは生涯忘れないでしょう。静かな持続的なパワーをいただきました。

 あの時、同行していただいた乾ルカさんは、この時の印象を小説『明日の僕に風が吹く』に書いています。

「最初の一羽は、ほんの小さな影だった。それが宵闇の群青を抜け出して、こちらへ飛んでくる。…まるで空から生まれ来るように、ウトウはみるみる彼方から現れ、こちらへと近づいてくる。」(同上書.P64)

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 他にも、いろいろありましたが、"はまなす"の時代を振り返るのは、少しあとにしたいと思います。

 今後は、アイン・ホールディングスの本社に部屋をいただいて同社の社史の編纂の仕事をメインにします。もちろん、研究・執筆は続けます。かなり時代遅れなので、紙のなくなった出版の世界、今日、原稿を書いたら翌日には発行されるデジタルの世界にどこまでついていけるか、少し心配しています。それでも、友人の文学博士の助けを借りて、電子ジャーナル アゴラ言論プラットフォームに「新資本主義」批判を書けた(7月7日リリース)ことは、とてもよかったと思っています。

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 "思い出のサンフランシスコ"という曲をご存じですか。I left my heart in San Francisco. 旅立つときは、心を整えて前を向いて、が原則です。だから、心残り(left heart)はよくないのですが、多くの良き人々に出会い、忘れ難き思い出がたくさんある。敢えて、心を残して、という歌です。

 これからも、ホームページを維持すべく、ペンを握っていたいと思います



2022年7月