<独自>三菱商事の風力事業会社、業界団体を退会 汚職事件の不信感が理由か

電力関連会社「日本風力開発」が入るビル=8月4日、東京都千代田区(関勝行撮影)
電力関連会社「日本風力開発」が入るビル=8月4日、東京都千代田区(関勝行撮影)

三菱商事の風力発電事業を手掛ける三菱商事洋上風力と三菱商事クリーンエナジーが業界団体「日本風力発電協会」を退会していたことが19日、分かった。10日に同協会に退会届を提出し、受理されたと三菱商事側が認めた。

退会理由について、同社は「日本風力発電協会との活動方針について、当社との意見の食い違いがあるため」とコメント。意見の食い違いに関しての具体的な明言は避けたが、洋上風力発電事業を巡る汚職事件に関連し、日本風力開発(日風開)の幹部が代表理事を務める同協会が、政府が公募する風力発電事業者の入札で、三菱商事が不利になるような公募基準の見直しを図ったことへの不信感を理由とみる向きがある。

令和3年12月に政府が公募した秋田県と千葉県沖の計3区域の洋上風力発電事業者の第1回目の入札では、売電価格が他の事業者よりも安いことが評価され、三菱商事を中心とする企業連合がすべて落札。日風開は秋田県沖の2区域で応札していたが、落札できなかった。

その後、日風開側や同協会は政府に公募基準の変更を求め、衆院議員の秋本真利容疑者=受託収賄容疑で逮捕=が事務局長を務めていた自民党の「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟」に働きかけたとされる。4年2月には、秋本容疑者が衆議院予算委員会で、2回目の公募からは評価方法の変更を求め、運転開始時期の早さに重点を置くよう要望していた。

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