コロナ検査キット、なぜ広がらない 高価、「研究用」混在…壁多く

有料記事

市野塊 米田悠一郎
写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
[PR]

 コロナ下で発熱外来の逼迫(ひっぱく)を避けるため、政府は抗原定性検査キットでの自己検査を促すが、利用は広がっていない。価格の高さに加え、医薬品として未承認の「研究用」キットが広く流通。第8波とも言われる中、厚生労働省はキットの活用を呼びかけている。

 抗原定性検査キットは、自分で採取した鼻腔(びくう)のぬぐい液や唾液(だえき)を使い、新型コロナへの感染の有無を判定できる。政府は発熱外来に患者が殺到しないよう、重症化リスクの低い人には、キットを事前に購入し、体調不良時に自己検査するよう促している。

 だが実際には、キットを使った自己検査はそれほど広がっていないようだ。

 厚労省の専門家組織の資料によると、キットを使って感染が分かり、自ら都道府県の健康フォローアップセンターに申請して国の感染者情報把握システム「ハーシス」に感染者登録した数は、東京都大阪府でそれぞれ全体の2割にとどまる。従来通り、発熱外来など医療機関を受診して登録するケースが大半とみられる。

 なぜ広がらないのか。その一…

この記事は有料記事です。残り2756文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら