中国の衛生健康委、感染者数の公表停止 傘下組織に移管
中国の国家衛生健康委員会は25日午前(日本時間同)、新型コロナウイルスの感染者数などの統計公表を取りやめたと発表した。これにより中央政府が今後は情報を開示しなくなると国内外で受け止められたが、同日午後になって傘下組織の中国疾病予防コントロールセンターが感染者数などを公表した。公表主体を変更した理由は明らかにしていない。
衛生健康委は発表資料で「(25日から)毎日のコロナ情報を発表しない。中国疾病予防コントロールセンターが、コロナの感染情報を参考と研究のために提供する」とコメントした。同センターは同日、公式サイトで感染者数や死者数などの統計を発表した。
衛生健康委は14日、全感染者数の多くを占める無症状感染者数の公表を停止していた。「ゼロコロナ」政策の大幅な緩和を受けて、PCR検査数が急減し、感染者数の「正確な把握ができないため」としている。
このため中国の公式統計では感染実態がほぼ分からなくなり、国内外で批判の声が出ている。衛生健康委は感染症対策を主管する政府機関で、流行初期の2020年1月から感染者数と死者数を毎日公表してきた。
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