コオロギでSDGsな給食に 小松島西高で調理実習
持続可能なたんぱく質源として注目されている食用コオロギを学校給食に導入できるかどうか確かめようと、徳島県立小松島西高校(小松島市)の食物科の生徒が16日、徳島大学発ベンチャーの「グリラス」(本社・鳴門市)の協力でコオロギパウダーを使って調理実習をした。
きっかけとなったのは、食物科2年の山﨑優希帆さん(16)が昨冬、同じ2年の新田凰翔さん(16)の誕生日に通販で入手した食用コオロギをプレゼントしたこと。友達が集まって一緒に味わっている場に食物科長の多田加奈子教諭(51)も加わり、「SDGsやエシカル(倫理的な)消費活動の教材になるのでは」と盛り上がったという。
この日は山﨑さん、新田さんに加え、元々昆虫食に関心があった小林奏太さん(16)を加えた3人が、パウダーを練り込んだ生地で肉まんを作った。3人は調理中は「漢方薬のようなにおいがする」と言っていたが、試食すると「普通の肉まんよりおいしい」と満足そうで、「パウダーなら抵抗はない」と給食への導入に前向きだった。
小松島西高では食物科の生徒が献立を考え、自ら調理もする学校給食を実施していて、全校513人の約3分の1がその給食を食べている。多田教諭は「アレルギーなどの課題はあるが、年内には一度チャレンジしたい」と話した。
調理実習に立ち会い、全校生徒向けにSDGsの特別授業もしたグリラス広報の川原琢聖さん(26)は「興味に沿って突き進む学生さんの発想は柔軟で、会社としてうれしい。抵抗感の部分は、企業の努力として払拭(ふっしょく)できるようにしていきたい」と語った。(東孝司)