訂正--中国吉利集団と日系新興企業が電池で提携、日本で商用EVサービス

中国吉利汽車と日系企業が電池で提携、日本で商用EVサービス
中国自動車大手の吉利汽車グループと新興企業のスリーダム(横浜市、3DOM)が4月、商用電気自動車(EV)向け電池パックの開発で提携した。写真は、吉利汽車のロゴ。2016年4月25日に北京で撮影。(2022年 ロイター//Kim Kyung-Hoon)
[東京 7日 ロイター] - 中国乗用車大手の吉利汽車などを持つ浙江吉利控股集団(吉利集団)の子会社(訂正)と新興企業のスリーダム(横浜市、3DOM)が4月、商用電気自動車(EV)向け電池パックの開発で提携した。共同開発の電池を搭載した商用EVを企業が初期投資なしで導入でき、電力なども含めてカーボンニュートラルを実現できるサービスを3DOMが設立する新会社が2023年をめどに日本で始める。
3DOMが7日、吉利集団傘下(訂正)の商用EV子会社(浙江省、以下GCV)と覚書を結んだと発表した。GCVは3DOMと組み、中国で3月に発売した小型商用EVを日本にも投入する。3DOMの電池製造・販売子会社(シンガポール)は25年までに約600メガワット時・1万5000台分の電池をGCVに供給する。このうち約半分を3DOMはサービス用車両に使いたい考え。日本では低価格が魅力の中国製EVを導入する企業が相次いでおり、中国製EVの浸透がさらに進む可能性がある。
事業活動での脱炭素を企業は迫られているが、EV導入コストは高く、火力発電への依存度が高い日本では電力も100%エコとはいえない。3DOMはこうした問題を解消するため、EVを売り切るのではなく、複数年契約でのリースにし、ユーザー企業の初期投資が不要なガソリン車並みの生涯費用に抑えたサービスを構築した。
複数の電力会社が風力発電などによる電力を供給し、充電網を整備。3DOMはグループのバイオ燃料関連会社と連携してカーボンクレジットも組み合わせて物流や配送でのカーボンニュートラル実現を支える。同社によると、利用時だけでなく製造時なども含めた工程全体でカーボンニュートラルを実現する商用EVサービスは世界初。運送会社や総合スーパーなど複数社が導入を現在検討中という。
3DOMは2014年設立の大学発ベンチャー企業。電池の主要材料の1つ、セパレータに同社製を用いた電池は従来型電池に比べ、劣化が緩やかで長寿命なのが特徴。
日本勢も実証実験を続けて機能と価格の両立を目指しているが、中国製EVの波は押し寄せている。SGホールディングス傘下の佐川急便が今年から順次、軽商用バンを広西汽車集団製EV約7200台に切り替える。首都圏物流大手のSBSホールディングスも東風汽車集団傘下の企業などが生産するEVトラックを中期的に協力会社も含めて約1万台導入する方針。
三菱自動車が日本郵便に軽商用EVを納入し、日野自動車がヤマト運輸とEVトラックで、トヨタ自動車はコンビニ配送での燃料電池トラック活用を実験中。トヨタ主導で商用車連合も昨年設立し、いすゞ自動車やスズキなども参画して電動化などの技術開発を急いでいる。

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